東ヨーロッパ バックパッカー旅 第8夜

その激動のブカレストを離れて2時間でシナイアに到着。
ここは「もう騙されないぞ!」と更に身構えていたのであるが、タクシーは積極的には話しかけて来なかった。


でも、プライベートルーム(地元の人の家の空いている部屋を貸してくれるちゃんとした制度。その家の人と同居に近い)の客引きは凄い攻撃力。
しばらくは「友達の家に泊まる予定だから」と嘘をついてかわすが、一人の男(その名はレウ)にしつこく捕まる。延々20分も後ろから付いて来て
「ねね、どこ泊まるの?」
「その友達ってどこにいるの?」
とまあしつこい。もうそのしつこさに辟易として仕方なく
「解ったよ。そこ、安くて良ければ泊まるよ。どこ?」
と了承。
また、どうせ後で
「はい、紹介料ね」
とか要求してくんだろ!と思いながら付いて行く。
んで、その宿(老夫婦が住んでいる家。なかなか良かった。2泊で100rei3000円位。まあまあ安い。)に決めた。
老夫婦と話しているとレウが
「んじゃ、バイバイ」と言って去ろうとする。
あれ?と思いレウを引き止めて
「何で俺に親切に無料でこの家を勧めてくれたの?」
と聞くと
「いや、俺も昔放浪していて色んな国の人に親切にされたから」との事。
まあ、宿主からいくらかの取引はあるのかもしれないが、たった3000円の中から1000円貰っているとしてもこの、閑散期ではそれを目当てにして生活しているとも思えないので、本当に親切でしてくれていたのかもしれない。

ま、兎に角金を要求して来なかったこの気持ちのよいレウにバーでビールをおごってやる事にした。
近くのレストランではずーっと
「ワタシノナマエハ is this corect?」
と唯一知っている日本語を連呼する笑
ナマエハの後が続かないのがウケる。しかも、レウは酒がめっぽう弱い。
すぐに赤くなって机に突っ伏す笑。
彼はどうやら、イタリア系ルーマニアンでベジタリアンらしい。お洒落に敏感らしく、全身ドルガバの服を着ている。(でも、正直ださい)
「ドルガバはルーマニアには売ってないんだぜ~。アメリカに居る姉貴に送ってもらったんだ!」って嬉しそうに話す。
なんか、話していると全く害意がないのが伝わってくる、面白いやつだった。
これからルーマニアはシナイアに行く日本人は「ワタシノナマエハ」と連呼する黒髪の細身のルーマニア人に会ったら、信用しても良いと思う。
部屋の主の老夫婦もとーっても優しかった。
日本のドラマが夕方やるから一緒に観よう!とルーマニア語で話しかけて来てくれて、一緒に観たが韓国のドラマだった。。。。
声は韓国語で字幕がルーマニア語という全く私にとっては意味不明のドラマだった苦笑
シナイアの夜は、本当に静かで美しかった。おとぎの国みたいでした。

ps.ブルガリアもそうですが、ルーマニアも野犬が多いので注意が必要。あまりにも美しい森があったので、中に入っていったら熊かと思う位でかい野犬(殆ど猛獣)3匹に囲まれていました。ナイフを取り出し、戦闘態勢を崩さないまま後ずさりしてなんとか逃げる事が出来ましたが、野犬は結構な確率で狂犬病を持っているので少しでも傷を負うとやばいです。なので、安易に森に入って野犬に囲まれない様にしましょう。
また、狂犬病の注射も出国前に打つ事をお勧めします。私の場合は間に合わなかったので(1ヶ月くらいかかり3回ほど打つ必要がある)打ちませんでした。
正直、3匹以上ならやられていたかもしれません。。。。